七十二候には、
その季節を代表する、
花の名前がついていることがあります。
夏至次候
第二十九候「 菖蒲華 (あやめのはなさく) 」
「いずれがあやめ、かきつばた」という、
言葉を聞いたことがあるかもしれません。
あやめ
はなしょうぶ
かきつばた
これらは、一見見分けがつきにくく、
果たして、菖蒲華(あやめのはなさく)が、
どの花を指しているのか、
どうしても気になる方も、
いらっしゃるのではないでしょうか。
菖蒲(しょうぶ)と書いて、
あやめと読むのですから、混乱しますよね。
結局、季節の名前「菖蒲華」は、
「あやめ」であるとも、
「はなしょうぶ」であるとも言われています。
● あやめ(文目・綾目)
ユリ目アヤメ科アヤメ属
開花時期:5月上旬~5月中旬頃。
大きさ:背丈30~50cm やや小ぶり
生育地:草原や乾燥地で育ち、水の多い湿地では咲きません。
花の色:基本的には青紫色の俗に言う「あやめ色」の一色。まれに白。
葉脈:ほとんど目立たない
● はなしょうぶ(花菖蒲)
私達が菖蒲と思っているのはこちらです。
あやめを観賞用として品種改良されたもの
ユリ目アヤメ科アヤメ属
開花時期:6月上旬~6月下旬頃。
大きさ:背丈60cm~100cm 花は大輪
生育地:湿地や湿原
花の色:紫色や青色、白色など品種によって様々
葉脈:葉の表の中央に1本、裏に2本、はっきりと目立つ
● かきつばた(杜若・燕子花)
キジカクシ目アヤメ科アヤメ属
開花時期:5月中旬~5月下旬頃。
大きさ:背丈は30cm~90cm程度 花は中ぐらい。
生育地:池や沼などの近くや湿地
花の色:紫色や赤紫色など
葉脈:ほとんど目立たない
見比べてもわからないですよね。
そこで見てすぐにわかる判別方法です。
ポイントは花弁の根元です。
あやめ ”網目状の模様”がある。
はなしょうぶ ”黄色い目の形の模様”がある。
かきつばた ”白い目型の模様”がある。
なお、
端午の節句に入る菖蒲湯に使うのは、
はなしょうぶとは全く別のサトイモ科の植物です。
湿地や池や沼などの水辺に自生し、
ガマに似た花が咲かせ、
その花はほとんど目立ちません。
このショウブは芳香を持つ精油成分を含んでおり、
葉や茎を傷つけると爽やかな良い香りがします。
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