月遅れ盆の送り火

8月16日は
月遅れ盆の送り火の日です。

軒先で火を焚いて、
ご先祖様をお見送りする光景が、
各地で見られることでしょう。

家の玄関先で
焙烙(ほうろく)という素焼きの皿の上で、
オガラを燃やし合掌します。

オガラは
麻の皮をはいだ後に、残る芯の部分。

麻には
穢れを、祓い清める
力があると言われています。

そして、大文字焼きは、
この送り火を、大規模に行うもの。

京都の大文字焼きは、
お盆に帰ってきてくれた
魂を、見送る伝統行事です。

「京都五山送り火」といい、
東山には、大の字
松ヶ崎に、妙と法
西賀茂に、船形
大北山に、左大文字
嵯峨に、鳥居型
が浮かび上がります。

護摩木に、
自分の名前と、病名を書いて
火床の割木の上に、載せて焚くと、
その病が癒る、という信仰です。

指定されたお寺で、護摩木を受け付けて、
この送り火を、点火する時には、
護摩木を、資材として山頂に運び、
大きな火で、焚きあげてもらえるのも、
参加をする方々が
心を寄せるものとなっています。

浄化の働きをするエネルギーは
いつくかあります。

中でも火は、
灼熱のエネルギーで、邪気を焼き払い、
魂を、浄化することから、
こうした行事の折に
ダイナミックに使われます。

また、火は
灯りとしての、役目も果たしますから、
帰ってゆく魂が、
迷わず帰り道を辿れるように、
明るく照らすという意味があるのです。

目に見えない魂との交流が、
穏やかな時間の中で、行われますように。

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